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院長コラム

2004-07-29

思春期を越えて(1)「二回の独立」を経て初めて人は自立できる

fukuzawa1福沢諭吉(福翁)は、1万円札の肖像画として有名ですが、近代日本の父とも言える人です。今回の題名は、その福翁が成人としてのライフスタイルを話した「福翁百題」の中の第一話の題です。

今、思春期を過ぎて大人のイメージを考えるのに一つのヒントになると思い、あえて全文を引用しますので是非読んでください。

「人間の独立」と文字で書くと難しいようだが、それほど意味があるわけでもない。単に「他人の世話にならない」ということである。生まれてきて両親に育ててもらうのは当たり前のことで、親もこれを特別立派なことをしているとは考えないが、子としてはその恩を忘れることがない。ただし、これは『独立』とは別の問題なので、独立のあれこれの原則を決める範囲ではない。

しかし、成人して親の手を離れ一人前になったら、もはや誰かからの保護を頼りにしてはならないのである。他人はもちろん、両親をわずらわせることも、『独立』の主旨に反することとなる。さて、その「独立」にも心身の二通りの区別がある。一つは、『有形の独立』、すなわち衣食住の必要を自分の力で処理すること、つまり『身体の独立』である。

もう一つは、『無形の独立』、すなわち社会での付き合い・活動において、思う通りに言い思う通りに実行すること、つまり『精神の独立』である。

この二つの独立を貫いて、初めて人間としての本来の姿にふさわしいのである。ところで、この有形・無形の二つの独立のどちらを先にすべきか。先ずは有形の現実生活の独立である。これがなければ、無形の精神の独立は到底望むことはできない。

この活発な現実生活において、心の無形の独立を望まないものはいない。どんな地位の人でも、どんな職業の人でも、むやみに他人に頭を下げて自分を偽ったりしたくない。人は皆、遠慮の無い思い通りの言動を願うのである。

だが、難しいのは衣食住が不自由であると、言動が思うようにはならず、いつも身を引いて自分に閉じ籠もる他は無いのである。閉じ籠もるならまだしも、生活の為にわざわざ心にもないことを言い、考えてもいないことを行い、ついにはその日の米のために卑屈に醜態をさらして、分かっていながら自分の本心に背くことをもするのだ。

つまりは、有形の衣食の独立を得ようとして、それより手前で無形の心の独立を忘れてしまっている訳で、こういうものは、一生を卑しい人間として過ごすしかないのである。

酷な言い方をすれば、詐欺師が金を手に入れて楽をしようと、法律を犯して動き回っている間に早くも司法の手に捕らえられて不自由の身となり、楽を求めた方法が苦痛の手段となったようなものである。気の毒というより他は無い。

以上のように、人間が世の中で活動していくやり方は、まずは衣食住の『有形の独立』を企てて、次に『心の独立』に至るのが当然の順序なのである。そして、ともかくも自分自身と自分の一家の生計は自力で処理するだけでなく、その努力を続ける中でも自己を曲げるような卑劣なことは犯してはならないのである。

人生の道が容易でない理由はここにあり、「独立」という文字は、頭では理解し易いが、実践することは困難であることを知っておくことである。(第1話)

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