特定医療法人社団 慈藻会 平松記念病院

011-561-0708

札幌市中央区南22条西14丁目1番20号map

時計 診療受付時間 mail お問い合わせ

文字サイズ

院長コラム

2004-09-29

思春期を越えて(2)いまどきの思春期心性は黄信号(病的)か!

shishunnki12004年7月7日の朝日新聞の社説で、子どもたちの「荒れ」が収まらない。と書き、02年度の小中学校でのいじめは2万2千件、暴力行為は2万9千件、不登校は13万人を超え、高校中退は9万人に迫ると記している。

長崎県での小学校6年生の女児が同級生に切りつけて死なせた。新潟県でも7月6日、小学校6年生の男児が同期生に包丁でけがをさせた。子どもによる事件が最近多い。

公立小公立小中高生の校内暴力が3年ぶりに増え(小学生が26.4%増)、いじめは8年ぶりに増加した。(中学1年生が全体の30%)

平成9年3月の女児殺傷通り魔、土師淳君殺害の所謂「神戸のA少年事件」の本が出版された。(少年A全記録・平成16年4月刊)思春期を如何に越えて行くかということを考えてみたい。

先のメッセージで、近代工業化社会の発展のポリシーを作った福沢諭吉を、「近代日本の父」として紹介しました。夏目漱石は、「我輩は猫である」、「坊ちゃん」などで有名ですが、近代に(明治時代)英国へ留学をして、日本と西洋とのカルチャーショック(文化のギャップ)に悩み、作家になったといえます。

その作品のテーマである人間関係は、近代工業化社会のハイテクノロジーの革新を続けている今の思春期心性の問題を暗示しております。彼の作品のひとつである「草枕」の冒頭を引用してみよう。

山道を登りながら、こう考えた。智に働けば、角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される。意地を通せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画(え)が出来る。人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。

これは、現在の思春期心性に言い換えると、「自分が友人、先生、親に合わせようとすると気疲れをする。友人、先生、親を自分に合わせてもらおうとすると緊張が走る。その中で、自己主張をするとストレスフルになる。心の安心できる居場所がどこにもない。」となります。

今思春期を越えようとしている人たちの統計と記録は、「心が病んでいる」と考えるのではなくて、人と人との間合いの取り方が変化していると考えてみたい。

その第一の背景は、少子高齢化であります。男女雇用の機会均等そして正社員・非常勤社員・フリーターの混在などに対応した賃金体系の変化・年金受給者の増加による年金負担の不均衡・父子家庭が増加したことによって、母子家庭の特別措置も廃止されるなど社会保障制度の根本からの変更をもたらしている。(社会のセフティ・ガードの混乱)

第二の背景にはITツールの技術革新が産業構造の転換だけではなく、人間関係の基本である言語によるコミュニケーションの変化をもたらしたという事です。これは言葉を話す、文字を書くという心の伝達手段がパソコンに取って代わったことを意味する。

今、思春期を如何に越えるかということは、心の問題であり、対人関係を如何に身につけるかという問題のように思えます。(この項つづく)

特定医療法人社団 慈藻会 平松記念病院

〒064-8536
札幌市中央区南22条西14丁目1番20号

市電「中央図書館」駅より徒歩1分(駐車場あり)

TEL:011-561-0708(代)

FAX:011-552-5710

外来診療(精神科・心療内科)

9:0011:30
(8:50~受付)
x
13:0015:00 × × ×

※睡眠専門外来の新患は水曜日と金曜日の午前のみです。

※土日診療は予約のある方のみの診療となっております。

※初診の方は予約制になっております

※休診:月曜午後、土曜午後、日曜、祝日

外来担当医表 睡眠外来担当医表