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院長コラム

2006-01-05

青年から成人へ(1)井の中の蛙大海を知らず・・・・The frog in the well knows nothing of the great ocean.

img_3384_thumb青年期から成人になる課題は、どういう職業に就くかということにあります。

職業選択の自由は、憲法22条に『居住、移転、職業の選択の自由』何人も公共の福祉に反しない限り、居住、移転、職業選択の自由を有すると謳われました。

しかし日本では長い間、人はあらゆる職業に就く可能性を持ちながら、何か一つの職業に就くしかないという考えが一般的でした。一つの仕事を選び、定年まで勤め続けることは「忠臣、二君にまみえず」といった江戸時代の武士のように「美徳」でもありました。

年功序列、終身雇用制というものが、何の根拠もなしに信じられてきました。その典型が公務員であり、民間の銀行や大企業でした。そのために勉強をして良い成績をとって、良い大学に入って卒業するという所謂「学歴」が大切なものと考えられてきました。

この十数年間で、大企業や銀行はイメージも実態も変身しました。今までの経験や先入観では理解できなくなっています。公務員も変身しつつあります。つまり『学歴社会』ではなくなったのです。知識や技術は生きて行くために必要なツールでしかないのです。自分は何をしたいのか自主的に考えることこそが大切なのです。

現在、職業といわれるものは推定3万から4万種類あります。時代感覚に敏感な青年たちは、一生涯一仕事ということから職業を自主的に選びとって行くという態度を身に付けています。大企業に入社する青年の多くは、3~4年で自分の目指したスキルやノウハウを得たら転職したいとはっきり言います。

一方、現在その数は4~5百万人といわれるフリーターの存在は、自分にあった仕事を探して漂流している青年が多いことを示しています。このような考え方の転換は、アメリカ社会では当たり前の考えのようで、日経の今年の10月19日にピーター・デール(日本の外資系の社長)は次のようなことを述べています。

「日本の履歴書には趣味の項目がある。アメリカのものにはない。日本人は例えば趣味は音楽鑑賞だと書くと、更にクラシック・ポップス・ジャズ・映画音楽というジャンルを明確に分け、その分野を徹底的に堀り下げて行くという。

そしてアメリカ人は、自分にとって楽しいか・感動するか・優しい気分になれるか・踊れるかが音楽の基準になる。アメリカ人は自分の価値観で仕事を選び、様々な分野を歴任することでキャリアアップを図っていくように考える方が自然である。

音楽の聴き方、楽しみ方の違いは、仕事の考え方や姿勢の違いにも繋がっているのではないだろうか。ちなみにアメリカ人にとって音楽が趣味というと、マニア的なコレクターを指すことになるという。」

「井の中の蛙大海を知らず」―中国の荘子の言葉ですが、日本でも『ひとりよがりになっている』『グローバルスタンダードで考えなさい』・・・の意味で、普段から使われています。日本にいるアメリカ人は、自分の生活スタイルから英語に直訳されても、その意味を何の誤解もなくそのまま受け入れているようです。

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