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院長コラム

2006-08-01

青年から成人へ(3) 夢見るものに終わりはない・・・・ 初心忘れるべからず。

20010721-@平成18年2月19日、NHKの新日曜美術館で「色彩の画家、今井繁三郎」が放映された。

今井は、出羽三山の羽黒山の麓で生まれ、霊峰月山を見て育った。「自然を描くのではなく自然に学ぶのが大切だ」と思い続けた今井の代表作は当然月山である。

最晩年に孫たちから送られてくる絵を前にして、今でも、幼子の描くこの線を描けない・・・『夢見るものに終わりはない』と呟いていたと言う。

無邪気な子どもに夢見る姿と芸術の可能性を見ていたのだと思う。30年前に、今井の個展が札幌であった。子どもと一緒に展覧会を見に行った。

子どもが走り回っているので、「うるさい」と言ったら「子どもはじっとしていないのが自然なのだ」と言って、逆にたしなめられた。その後自筆の賀状が毎年届くたびに「子どもをむやみに叩いたり、叱ってはいけない」と思った。

最近、夢見ることを中断される子どもの事件が多い。今年の4月、母親が娘綾香ちゃん、隣家の豪憲君を殺した事件は、宮崎事件(青年が幼な子を連続殺人した)、A少年事件(14歳の少年が児童を殺した)、長崎の駿ちゃん事件(小学生が幼な子をビルかの屋上から突き落とした)と続いてきた子どもの被害事件として、人に記憶される事件だと思う。昭和63年(1987)宮崎事件は起きた。

その被告に対する精神鑑定がなされ、(1)責任能力あり(正常)(2)異常人格障害(3)統合失調症と当時を代表するともいえる精神科医の三者三様とも言える判断が出された。裁判官の採用した鑑定は(1)責任能力ありというものであった。結果として極刑の判決が下りた。

私は、この宮崎事件を知って、精神科医の判断(鑑定)が社会事件には無効なのかと戸惑ったことを記憶している。

そして平成7年、阪神淡路の大震災が起きた。このときに、精神分析の創始者であるフロイトが発見した心的外傷「トラウマ」という言葉が市民生活の日常語として定着した。今や「心のケア」もまた日常語となった。

予測を超えた事件の多様性と複雑さは、超スピードで進んでいる。子どもは何故自然の中で体力を育む必要があるのか?

水、太陽、草木、動物と人も同じ自然界の一人であることを直接体験させてくれるからという答えでは何か不十分である。

なぜ親子関係や同胞関係は大切か?家族は仲良くするのが自然なのだという説明もしっくりこない。

なぜ大学に行くのか?なぜ蝉や蟻を殺すこと、タンポポを手折ること、、魚を釣って食べることが許されるのか?

なぜ戦争で人を殺すのがよくないのか?夢見る子どもだけでなく、青年も、大人も、高齢者も「昔のようにしていればいい」と安閑としていられない時代が来ていることを示していると思う。

今、私は、初心忘れるべからずという言葉を思い出している。

室町時代の文化の「能」を完成させた世阿弥の「花鏡」にある言葉である。

是非とも初心忘るべからず

時々の初心忘るべからず

老後の初心忘るべからず

『芸の修行を始めたら、自分の下手さや失敗を反省することを忘れるな。いつもこれでいいと満足しないで、努力をおこたるな』という意味と解釈したい。

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