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院長コラム

2007-08-19

青年から成人へ(4) 「ロックンローラー・忌野清志郎のエピソードについて]

guitar2007年7月、中越沖地震が起きた。新潟刈羽原発で予想を超えた激震による放射能漏れ事故が発生した。

私も若い頃、人並みに自称原発反対派であったので、ロックンローラー忌野清志郎が、反原発ソングを歌い発売禁止になったことを思い出した。

その忌野清志郎の有名なエピソードのひとつに、「子供が今、高校生で毎日勉強もしないで音楽に明け暮れている。プロの音楽家を目指しているという。

プロになるのは簡単ではないし、せめて大学に行ってからでも遅くないと考え直させられないかと、母親が新聞の人生相談に投稿した」というものがある。

彼ほどのロックンローラーでさえ、若いときには、親を心配させる青年時代であったことを伺えて、印象的な話だと思う。しかし、多くの青年たちが一度は踏み込み「いつか来た道」ではなかろうか。

私は、19歳の時に、中学のときから親しんだ詩人、中原中也から知ったフランス詩人ランボーに夢中になった。1964年、フィリップ社からジャンコクトーらの俳優がランボー、ヴェルレーヌなどの詩を朗読したLPレコードが発売された。1ヶ月の仕送りと古本屋に売った本代で衝動買いをした。フランス語も分からないのに対訳本を見ながら、毎日蓄音機で聞いていた。

生活費は足りず、ほとんど外出もせず、暖房費を節約して、一斤(約340g)ごとに買う食パンとインスタントラーメンで一冬を越した。今、ふっと思い出すのは、フランス語のフレーズではなく、中也の「夕照は慈愛の色の金の色」という一節である。

しかし、当時は、バランスの取れた食事をとることや大学の講義を聴くよりも、レコードから聞こえてきたフランス語のリズムに高揚感と満足感があったことは事実である。

学校の勉強は人生に大切だと教えられるし、それに反論する術はないが、小説家になりたい、詩人になりたい、ミュージシャンになりたい、デザイナーになりたい、サッカー選手になりたい、プロ野球選手になりたいという欲求を持った青年を、再び学校の勉強に向かわせることもまた不可能なのではなかろうか。

若者の創造的で芸術性あふれることを目指す心性は、大人から見たら、未熟で、現実的でないと見えることが多い。誰もが望めば実現するものでないことも事実だからである。

しかし若者の心性にとって、実現する才能があるか否かと悩むことはあっても、創造的なものに向かう心的エネルギーが高揚することはあっても衰弱することはない。むしろ周囲から出る現実的で常識的な批判は、若者にとって、プライド(個の尊厳)を傷つけ、不快で、不純で拒否すべきで、検討に値しないと思える。

親や学校の先生から幻想であり不可能であると言われれば言われるほど、不可能で、空想的なものにリアリティを見て努力してゆくのではないだろうか。

勿論忌野清志郎になれなくても、中村俊輔になれなくても、そういう思春期や青年期の経験はこころの旅、内面の旅ともいうべきもので、「かわいい子には旅をさせよ」の新しい文化に接する旅や厳しい自然に接する旅をすることと同じ経験ではないか。

色々な旅を体験することで人は、どのように自己を表現するかという「言葉でコミュニケーションをとるスキル」を身に着けて行くのではなかろうか。

子供が、思春期から成年になる過程で、このような幻想(イリュージョン)や空想(ファンタジー)を通過しないで、自分の進む道を発見することは不可能であると思う。

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