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院長コラム

2007-12-17

冬篭り また寄り添わん この柱 芭蕉

basyou今年は、国内外で戸惑う事件が多かった。‘01、ミューヨークの貿易センタービルの同時多発テロが起こった。

それは‘99、イラクへの多国籍軍による「砂漠の嵐」という湾岸戦争に対する、イスラム過激派(アルカイーダ)からの攻撃であった。そして‘03、再びイラク戦争が始まった。そして、海外ではテロが頻発し、国会では新テロ特措法案が論議されている。

私は、湾岸戦争とニューヨークの同時多発テロのほんのつかの間の平和なときに米国の土を踏んだ。

2000年12月、アメリカ・カリフォルニア州のサンディエゴで精神医療の研究をした時に、一日観光でメキシコのティファナに行った。国境を越えてメキシコから密入国する人が多くて困っていると聞いた。

国境沿いに鉄の塀を長く建てていた。その鉄の鋼板は、湾岸戦争(theGulfWar)時にイラクの砂漠に敷いて戦車を進軍させたもので、戦後それを持ち帰り越境者を防ぐために再利用されていた。

国境防衛隊のもう一つの仕事は、中南米からの麻薬の国内持ち込み持ち込み防止にあるといわれた。国境の関門でパスポートを点検されている時に、シェパードが猛烈な唸り声を発して少し離れたところにいた車に襲い掛かった。麻薬犬の登場であった。

人に貢献しているイヌとして、警察犬としてのシェパードやドーベルマンが有名ですが、その華やかさの影で忘れていけないのは麻薬犬の存在です。

イヌの嗅覚はすごいものだと言ったら、ガイドは「麻薬犬は麻薬中毒にさせられていて、麻薬が切れた頃に現場に出る。だから必死に麻薬を探す。麻薬犬は長生きできない」と教えてくれた。人と動物(犬)との共生は難しいと思った。

一方、今年の国民生活白書は「つながり築く豊かな国民生活」とうたっているが、家族、地域、職場でもつながりが弱くなっている実態が報告されている。

実際に4月、秋田での二児連続殺人(母親が犯人)事件、6月、八戸の母子4人殺人(父親が自殺)事件、奈良の母・弟妹殺人(高校生の長男が犯人)事件、12月、和歌山での祖父・妹母子殺人(祖父の長男が犯人)事件、と気になる家族の事件が連続して起きた。

戦後の大家族から核家族への変化に対して、精神分析課の亡小比木啓吾氏は、「ホテル家族」と呼び、家族はお互いに絆が希薄になりコミットを避ける、コミュニケーションを避ける「家庭のない家族の時代(ちくま文庫)」であると解説した。

しかし今や、精神保健的立場で考えると、家族の形は多様化し、個々の感情の器としての家族の内容は見え難い。

私は、核家族化から新しい家族の枠組みに変わり始めているいるような気がする。そんな揺れ動く社会では、人と人の棲み分けはもっともっと難しくなっていくのではないか。精神科病院という小さな窓から見ると、精神障害の多くは今や「うつ病は心の風邪」といわれているように、特別の人がかかる病ではなくなっている。

そして残念ながら、まだ全てが簡単に治るとはいえない。病と向き合い、治療を受けて療養をしていくことは、よりよい自分らしさを発見する旅ともいえる。俳聖・松尾芭蕉は、旅に出て旅を住処にして俳句をつくり自己実現をした人である。

旅の途中で冬のきびしさと向き合った芭蕉は、寒さや大雪でも安心して休める家の大切さを「冬篭りまた寄り添わんこの柱」という名句に残した。

病院は自分らしさを取り戻す旅に疲れた人たちにとって、安心して「寄り添える場所」であり、「寄り添える柱」でありたい。

Good Luck!

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