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院長コラム

2016-12-01

院長メッセージ(30)ボブ・ディランの頃は?:ノーベル文学賞おめでとう!

image1Blowin’ In The Wind:Bob Dylanは、つぎのフレーズで始まる。
How many roads must a man walk down
いま若者は自立するために
Before you call him a man?
さまざまの道を歩むしかないのか?
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
The answer, my friend, is blowin` in the wind,
わが友よ その答えは風に聞いてくれ
The answer is blowin` in the wind.
その答えは風が知っている

この歌がヒットした頃、1963年に、日本では、偏差値という概念を教育に取り入れた。団塊の世代の大量の高校受験を迎えて、学力によって、効率よく入学させる基準として作ったものであった。その背景には、多くのブルーカラー(賃金労働者)を必要とした近代工業化社会を迎えていた。

製品の大量生産を実現するために、それぞれの工業部品の規格から使える範囲の偏りを基準として【偏差値】が導入された。その偏差値の概念を学校の受験の基準に転用されたものであった。1990年前後、日本経済は高度成長を続け、日本は、1億総中流化と言われた格差のない豊かな社会を作った。

しかし光陰世の如し(Time Flies)今や、学力、貧富など格差社会といわれている。一人のエジソンを育てる教育よりも、100人のブル-カラ-を育てる教育を必要とした時代から、100人のブル-カラ-ではなくて、一人のエジソンが必要とされる時代に転換した。

アメリカではどうであったろうか?ボブ・ディランの詩が流行した頃は1960年代、アメリカでは、公民権運動が盛んで、黒人への人種差別と格差が問題になっていた頃である。アーサー・キング牧師が先頭に立って、黒人の参政権や人種差別撤廃を含めた公民権運動がピークを迎えていた。チャールスヘストンやボブ・ディランなどもこの運動に参加をしていた。

ジョンソンアメリカ大統領が1963年に公民権法を成立させた。1964年に、キング牧師は、もっとも若くして、ノーベル平和賞を授与され、文字通り「I have a dream.希望がある」というキング牧師の言葉が世界を回った。

奇しくも時代はめぐり、再び、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中近東などの世界が、人種差別と貧富の格差社会になっている様相を呈している。この時期に、かつて、公民権運動に参加をしたボブ・ディランにノーベル文学賞を与えたノルウェイのノーベル賞選考委員会の眼力に敬意を表したいと思う。

現在の欧米・日本などの期待される「エジソン」たちはどうなっているのか?
エリート学生が陥る過酷な精神状態を「ダックシンドローム」と言われている。【米国の大学で問題視されている調査結果がある。(‘16 National Data on Campus and Depression)

①12人に1人の学生が自殺を考えている。
②49.5%の学生が未来に希望を感じていない。
③60.5%学生が孤独を感じている(孤独はうつ病の前兆とされる。

マーフィ重松教授は「スタンフォード生は、世界一かっこいい学生に見える。しかし、その輝きの裏には、血のにじむような努力がある。その重圧に押し潰されまいと必死だ。」米国の学生たちが苦悩をしているという。そしてその姿を「ダックシンドローム」という言葉で表現する。

水面を優雅に泳ぐアヒルは、溺れないように水中では懸命に足を動かしているという意味だ。】偏差値中心の大学選びではなく、『やりたいことができる大学・学部を目指しなさい。個性の発揮できる大学・学部を選びなさい。という指導になりつつある。

高校でも、偏差値を上げるのではなく、会社見学、大学での研究の見学参加を含めた幅広く選択をして行ける方向が出されてきている。欧米・日本の若者は、偏差値教育一辺倒ではなく、さまざまの道を歩いて、大人になっていかねばならない状況にあるのではないか?

Blowin’ In The Wind
風のように
How many roads must a man walk down
いま若者は自立するために
Before you call him a man?
さまざまの道を歩むしかないのか?
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
The answer, my friend, is blowin` in the wind,
わが友よ その答えは風に聞いてくれ
The answer is blowin` in the wind.
その答えは風が知っている

この歌に出会った1960年代、私は、恥かしながら、ボブ・ディランの詩ではなく、ジョンバエズのこころに染み入るような声とリズムとを鮮明に覚えていた。

私は、当時先の見えない学生であったので、自立の歌と勘違いをしていた。当時、自分勝手に訳した歌詞を思い出して載せてみた。もう一度聞き直してみると、男女などのジェンダーを超えた歌である。

誰もが、迷っても 迷っても 前に歩かなくてはならない。自分の進む道は、誰も教えてくれない。誰も助けてくれない。けれども自分が、納得するまで、道を歩かなくては、戦争も終わらない、平和も来ない、何も始まらない。

ボブ・ディラン ノーベル文学賞受賞おめでとうございます。
Merry Christmas and A Happy New Year!

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