特定医療法人社団 慈藻会 平松記念病院

011-561-0708

札幌市中央区南22条西14丁目1番20号map

時計 診療受付時間 mail お問い合わせ

文字サイズ

院長コラム

2018-03-14

院長メッセージ(33)森田療法(1)平松勤先生の森田療法について

平松記念病院の開院は、昭和25年(1950年)精神衛生法が発行された年の  11月に、 平松勤先生によるものである。平松先生は、北海道で初めて森田療法を導入した先生である。開放病棟の2階の片隅に、ドアが解放されて、暗いカーテンで閉ざされた 小部屋があった。私は、回診の時に婦長にこの部屋は何をする部屋ですかと聞いたものである。「森田療法のぜったいがじょくする部屋です」これが森田療法なる ものとの出会いであった。 

1970年代の日本の精神病院の一部は、木造で増築を重ねたせいか、各病棟との連絡は忍者屋敷のように入り組んでいた。子供のころに麹屋や宮大工の親戚の家にお祭りで行ったときに、家中を探検して回ったことを思い出したほどであった。そんな病棟を歩き回り患者さんの話を聞くか、作業療法と称して、グランドでバレーボールやソフトボールをして患者たちと遊ぶか、花壇をつくり、花を植えることが仕事であった。

ある日、平松先生が「宗君、森田療法をするので、一緒に診てみなさい」と言われた。「はい」と返事をしたら、これを読んでおきなさいと色褪せたコピーにメモの書いた小冊子を渡された。その本は、倉田百三の「出家とその弟子」であった。私は、学生の頃に同じ下宿に北大の哲学科修士課程でハイデッカーを専攻する学生がいて、哲学談義をした経験をしていた。西田幾太郎の善の研究や出家とその弟子の話題もあった。倉田百三が「歎異抄」を繰り返し読み、昭和2年に、親鸞と想定される僧侶が、いかに生きたかという脚本形式の小説であるという背景を知ってはいた。それが森田療法とどう関係しているかは、知らなかった。平松先生の森田療法は、今振りかえっても、ほぼ森田が昭和6年に作った療法の注意書に近いもであった。

私(森田正馬)が神経質の苦悶のつよいものに用いた絶対臥褥法は、意外にも著効をおさめた。それから今日用いている森田式技術が、神経質の根本療法として出来あがったのであった。
12項目になっているので、自分が番号だけは、勝手に付けてみた。

① 駒下駄と日記帳を用意する。凡そ3週間は面会謝絶の隔離入院のため、身辺雑事は全て整えておくこと。
② 体重は入院時と起床第一日目と毎週一回測ること。
③ 臥辱療法期間は4日から7日間、この間は洗面、便通、食事以外は絶対臥褥を守り、談話、読書、喫煙その他気分を紛らわすことを禁ず。
④ 起床後は、毎日起床洗面のあとと就寝前に机に向かい古事記を音読すること。
⑤ 就床時間は7乃至8時間をこえぬこと、日記は毎夕食後に書く。
⑥ 第一日目は臥褥期のことを書く。
⑦ 昼間は終日戸外に出て、夜間は別室で随意に作業をして、自室に閉じこもってはいけない。
⑧ 治療中は気を紛らわすこと一切禁ずる。
⑨ 起床第2日目には草取り落葉掃きの軽作業をし、以後掃除に移る。
⑩ 作業はいつも臨機応変たるべし。
⑪ 1,2週後に重作業に移り、読書を許す。
⑫ 読書は随時でなすこと。

仕事は臨機応変がよく、創意工夫して自らさがすように指導をする。このような治療実際について、今日では(1972年)厳格に行うことは困難であっても、その精神は隔離により自発性をひき出す基本方針は変わっていない。「野村章恒著森田正馬伝1972年白揚社刊194頁」絶対臥褥とは、6畳間程度の部屋にカーテンをして、室外に出ない指示があった。その後に交換日記風に、日記のやり取りをして、赤鉛筆で「つらいという記事に、川の水が低きに流れるように、こだわりに抵抗しないで過ごしなさい」「苦しくとも対策を講じないですごしなさい」と続けて、やがて作業療法に参加をして、退院するものでした。

私は平松先生に「影のように」つきまとって、数例を体験した。「治りました。ありがとうございました」 何がどう治ったかわからなかったがその印象は、かなり強いものであった。

病院の中庭の平松勤先生の歌碑の短歌(平松先生は空知の開拓民の子として生まれ、9年間軍医として中國に従軍した。廟塔の見える藻岩山の麓に開院した)

①ありありと今宵聞こゆる 雁の声 沁河をわたるまぼろしの声
②廟塔の桜に向かふ患者等の 後尾に背曲がる老いが院長
③八十七才吾はなりたり 空知野を拓くランプの明かりに生まれて

特定医療法人社団 慈藻会 平松記念病院

〒064-8536
札幌市中央区南22条西14丁目1番20号

市電「中央図書館」駅より徒歩1分(駐車場あり)

TEL:011-561-0708(代)

FAX:011-552-5710

外来診療(精神科・心療内科)

9:0011:30
(8:50~受付)
13:0015:00 × × ×

※睡眠専門外来の新患は水曜日と金曜日の午前のみです。

※日曜日の診療は第2・4のみの診療となっております。

※土日診療は予約のある方のみの診療となっております。

※初診の方は予約制になっております

※休診:月曜午後、土曜午後、第2・4日曜午後、第1・3・5日曜終日、祝日

外来担当医表 睡眠外来担当医表