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院長コラム

2019-12-03

院⻑メッセージ(40)中国返還直前 香港訪問1996から今を考える 中国の未来都市と一大リゾート地へ巨大エネルギーに一つの方向

はじめて香港を訪れたのは、1981年の9月であった。広東、昆明、上海への精神医療と漢方の研修の旅で立ち寄った。当時の香港の100万ドルの夜景は、プラチナと真珠で作られたかのよう美しく、街は欧米人が多く、 外国製品が溢れ、大英帝国の華やかさを伝えるペニュンシュラ・ホテルからは島と海(ヴィクトリア・ハーバー)がみえ、寛ぎながらハイテー(午後の紅茶)を楽しむ.… 香港は、中国服を着たイギリスそのものであった。九龍から汽車に乗り広東に入ると、近代化の遅れた風景が続いた。そして、山水画に吸い込まれるように  着いた桂林、昆明の山あいの飯店で出会った青年は、広東大学助手の時文化大革命で下放され、1976年文化大革命が終わっても、二度と学問の機会のないまま情報に飢えており、日本、香港の実情を聞いてきた。
私たち一行は、中国文化大革命が終わって5年経ち、国家再建の為に外貨獲得の方針もあり、何処でもウェルカムの雰囲気で迎えられた。昆明、西湖など一人で自由に街を歩けた。しかし人民の都市間の往来はまだ自由ではなく、工業など近代化も進まず、果てしない土地に行き場のない人々のエネルギーだけが満ち溢れていた。

1997年7月1日香港がイギリスから中国に返還とマスコミに出るたびに、もう一度見てみたいと思った。
1996年の12月初めの週末を利用して千歳を飛び立った。
13年ぶりに香港は錐のように垂直に伸びたビルが文字通り立錐の余地なく立ち並び、スラム化した住宅はかなりスクラップされて再開発が進んでいると見えた。夜景はカラフルになり、街を行き交う人に中国人の顔が増えた。海上レストランだけが昔のままという感じであった。香港在住の女性バスガイドはなぜか男性ガイドより元気が良く自分をはっきり主張していた。
香港の現状は男女平等が徹底している。賃金は8~9万円で仕事にも差別がない。家賃が給料の半分はする。共働が当たり前で、食費は安くて美味しい。ブランド品の修理工場があり、一流半?の安くて良い物が手に入る。気候も良いし、何よりも自由であり、生活しやすいという。
しかし、おばあさんは子守をするので家に居られる。おじいさんは何も生産するものがないので、狭い家では居場所がない。街のどの公園でも行き場のない老人が朝早くから日暮れまで、新聞を持って語り合うでもなく、屯している風景に出会う。2重国籍の持てる香港では、金持ちはカナダの国籍を買うか、既に外国に逃げ出す人もいるという。

香港の街は、言いようのない活気に溢れている。公的年金、医療保険のない生活の不安や子供の教育の不安をものともせずに元気に生きているのは、自由のためなのか………それとも日本が過保護になりすぎたのか、いろいろ考えさせられた。
香港はこの激動の20世紀にイギリスの文化と政治経済システムで繁栄をしてきた。今返還を前にいろいろ議論されている。近代工業国家として再生の途中にある中国にとって、香港の中国化か、中国の香港化という選択の問題ではないと思う。かつて行き場のない巨大エネルギーが一つに方向を見いだした。それは香港、九龍の大地に立つ者に中国に明るい未来を予想させる。
いつの日か、中国の未来都市とリゾート地になっているであろう香港をゆったりと旅している夢を見ながら帰途に着いた。
12月の札幌の寒さと暗さが何故か身にしみた。香港かぜをもらったせいか、香港、中国の躍進するイメージが強かったためか、おそらく両方のせいだろうと思った。
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ここまでの印象記は、1996年12月の旅行記である。
今は2019年12月である。旅行記からおおよそ20数年の月日が流れた。

返還されて20数年目の香港から来るニュースは、混迷を極めている。
私が香港の中国化でもなく、中国の香港化でもない中国の未来都市を夢見た社会認識は、全く現実的ではなかったと言える。1996年の香港は勿論中国においても、少子高齢化社会は現実のものではなくよその国のことであったように思う。香港はもとより、中国においても近代化とともに、いろいろな社会のセーフティネットの問題が出てきたのではなかろうか。

この20数年の日本では1972年から1983年までの約10年間、老人医療費の無料化が夢や幻ではなく現実のものとして行われた。
日本の社会保険制度は、①年金、②医療保険、③雇用保険、④労災保険が確立していた。定年になった後の病気の不安に対して、老人医療の無料化は社会のセーフティネットとして素晴らしいものであった。1990年代少子長寿社会が到来し「社会の安心」のために、2000年に新しい社会保険制度がとして介護保険が実施された。
しかし、2019年の社会のセーフティネットの改革つまり社会保障の100年計画として再検討されている。激動の香港ニュースを聞きながら、時代の移ろいは早く、いつも地域のニーズに応えられる病院でありたいと強く思う。

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