精神科急性期治療病棟とは?
- 精神科急性期治療病棟(以下急性期病棟)とは、精神症状の悪化のために急性期の集中的な治療を要する患者さまが入院される病棟です。
- 急性期病棟では、急性症状の休養を最優先に心身の安静に努め、患者さまの症状や状態を把握し、症状に合った各種治療(薬物療法・精神療法・精神科リハビリテーション・社会療法など)を行います。
- また、入院中における合併症や事故防止にも力を注ぎ、患者さまの不安の軽減や安全の確保に努めています。そして、当院では急性期病棟にクリニカルパスを導入しています。
クリニカルパスとは?
- クリニカルパス(以下パス)とは、患者さまが入院されてから退院されるまでに受けられる治療内容をまとめた計画表のことです。
- 時間経過に沿って各部署(医師、看護、薬局、作業療法、精神保健福祉士など)の治療の流れが示され、「入院したら初日にはどこの部署が何をして、一週目にはどの部署が何をして、一か月後には何をするのか」という治療手順がわかりやすく表にしています。
- これを使うことで患者さまも病院スタッフも、どの時期にどのような治療がされるのかをスムーズに共有できます。
- 適切な医療を適切な時期に提供することは早期退院につながり、また、全スタッフが治療計画を共有することはチーム医療の実践に役立ちます。
- 治療経過はそれぞれの患者さまで違いますから、途中で症状や状態の評価を行い、各部署みんなでカンファレンスを行いながらパスを適用しています。
担当医師からのメッセージ
- 当院は平成18年11月から、このパスを導入し、現在は新たに入院される患者さまの大部分に適用しています。
- 2022年の急性期病棟の入院患者は計155人(気分障害が46%、統合失調症が31%、認知症が12%)で、その平均入院日数は53日までに短くなりました。
- 退院された患者さまにご回答いただいているアンケート調査での満足度も上々です。
- これからも急性期病棟の治療を通じて一日も早い患者さまの社会復帰を目指していきます。